買えないもの
買えないものに惹かれます。
わかりにくいものにも惹かれます。
例えば、これ。
会津若松の東山温泉入り口にある<お秀茶屋>の田楽です。
創業は江戸時代。
土方歳三も食べたと言われている。
この田楽が美味しいから
立ち寄る訳ですが、
やっぱりもうかれこれ350年以上
続いているその精神に惹かれるんですよ。
その時間に想像を巡らすと楽しい。
大河ドラマに出てくる常連の人物たちの見た風景は今とどれくらいおんなじだったのか、とか、どんな思いで日々生きてたんだろう、とかね。
でも、同じ人間なんだから、お腹は空いただろうし、寒いなとか温かくて心地いいなとは感じたでしょうね。続く時間の中に接点を見つけては面白がるのが楽しい。
そして、これ。
新潟市の行形亭(いきなりや)さん
喫茶でお茶を頂いた時なのですが、
ここのお膳は明治の輪島塗り。
そして、レシートを挟むのにこの可愛い水引。古いものと新しい感覚が混ざって、今の時代に提示されている姿がとてもいい感じ。
このお店も、江戸時代から300年近くの歴史がある。
連綿と続く時間の中には、文字では表現できない普通の人たちの暮らしの積み重ねがあって、今、自分の目に映ることがとても貴重だな、としみじみ思っている。
そんなわけで、美しいもの、
歴史あるものに惹かれているわけですが、
その実は、お金で買えないものにとっても惹かれる、とも言えるでしょうね。